【サブリース(家賃保証)】の落とし穴 本編 最終回
本編第一回では、主に賃料設定に関わる落とし穴について説明させていただきました。
本編最終回では、その他の落とし穴についてご説明させていただきます。
【家賃保証】の契約書には、必ず【免責期間】に関する条項が記載されます。その期間はたいていの場合、30日から60日と設定されます。
ここでいう【免責期間】とは・・・?
竣工後の新規入居者募集においては、当然、空室からのスタートですから、【賃料保証会社】の建前として、この【新規募集に関わるリスク】を前提に【免責期間】を設定しているのです。
【免責期間】内に発生する収入・・・礼金、賃料、共益費(管理費)や雑費等は、その全てが【賃料保証会社】の利益となるのです。
立地条件の良い物件の場合、新築で60日間も入居者が決まらないケースは少ないでしょう。仮に大部分が決まっていないようなら、よっぽど相場に逆らった強気な賃料設定を行ったか、コンセプトが受け入れられなかった物件、すなわち企画段階での失策としか思えません。
よくある例としては、建設会社やオーナー様が複数の【賃料保証会社】や【不動産会社】に競争入札形式で、最も高い賃料を提示した会社を選択しようとした場合などは、周辺の賃料相場との間に大きな乖離が生じてしまい、新築なのに空室が埋まらない状態が発生します。これは、それらの会社が仕事を取りたいがために、無理な賃料設定を行ってしまうからです。実はこの時点で・・・それらの会社はオーナー様のことよりも、自社利益を優先させてしまっているのです。仕事を取ってからなんとかしよう!なんとかなるだろう!と・・・ 実に怖い話です。
また不動産部門を持つ建設会社は、提案段階で高い賃料設定を行い建設工事受注そのものを目論みます。 建設工事を請け負うために【賃料保証】を利用するのですから・・・ 賃料を高く設定すれば、その分、建設費の上乗せもできるわけです。実に怖い話です・・・
例えば、賃料¥80,000(共益費込)の物件が20室あるとします。立地条件も良く、竣工前に全ての部屋が決まり、満室御礼となりました。しかし・・・【免責期間60日(2ヶ月)】です。これを計算すると、1ヶ月賃料総額は¥1,600,000です。2ヶ月賃料総額は¥3,200,000です。別途に契約時の礼金総額は¥1,600,000です。すなわち【免責期間60日】の収入総額は¥4,800,000にもなります。 なんとこの金額は全て【賃料保証会社】の利益になるのですよ・・・!! 実に怖い話です・・・
信用のおける不動産会社に、専任媒介契約を結んで入居者募集を依頼した場合、上記の金額は、オーナー様の収入、利益となるはずのものなんですよ・・・!! 実に怖い話です・・・
【家賃保証の落とし穴】・・・見えてきたでしょう?! 営利企業が、自社の利益にならないビジネスを展開するわけはないのです。竣工後にいきなり、これだけの利益があがるのですから、その後の賃料保証は難しい話ではありません。 不動産経営はバブルの時代ならともかく、今の時代、将来賃料が上がることを想定する経営は行えません。本来、オーナー様にとって、投資コストを完全に回収する前の段階では、竣工後から築の浅い時期が最も収益性の高い時期となります。この最も収益性の高い時点で、本来オーナー様が得ることのできる利益を、【賃料保証会社】が【免責期間】を建前に手にしてしまうのです。
さらに、毎月の賃料に関しましては、保証率が設定されていますので、保証率が90%であるならば、毎月賃料総額の10%が【賃料保証会社】の利益となります。 実に怖い話です・・・ そしておいしい話です・・・(保証会社)
そうそう、当然ですが・・・共用部の電気代や水道代、設備の定期メンテナンス費用や修繕費、清掃代等は、別途費用がかかりますので要注意・・・!
これらのことを考えると、建設に関しては建設のプロへ。賃料設定や入居者募集、管理業務に関しましては、不動産のプロへ。しっかりと切り離して不動産経営をされるのが賢明ですし、複数社の業者を入札形式的に競争させることも得策とは思えません。
現実との乖離が激しくなり、所有物件の真の姿を見失うことにもなりかねません。
ご所有する不動産物件に対しては、どの形態が適しているのか・・・慎重にご検討ください。
いかがでしたでしょうか?【賃料保証の落とし穴】
ご参考にしていただき、皆さんの不動産経営に対する一助になれば幸いです。
下記は、この記事以前の回です。ご参考まで。
http://fudousanya-hidechan.cocolog-nifty.com/blog/2007/10/post_8cd3.html
http://fudousanya-hidechan.cocolog-nifty.com/blog/2007/10/post_d214.html
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コメント
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餅屋は餅屋ですよね
投稿: tabisuki | 2007年10月27日 (土) 01時38分
tabisukiさん、おっしゃるとおりです。
全てお任せのワンストップサービスは、楽なんですが、楽になる分、その対価として膨大な費用を支払わなければなりませんよね。
投稿: ひでちゃん | 2007年10月27日 (土) 01時42分